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2024.08.26

福祉用具専門相談員は本当にきついの?仕事内容とどんな人が向いているか解説

福祉用具専門相談員は本当にきついの?仕事内容とどんな人が向いているか解説

福祉用具専門相談員は、高齢者や障がい者の生活をサポートするために欠かせない職業です。しかし、その仕事内容は「大変」「きつい」と言われることもあります。この記事では、福祉用具専門相談員の具体的な仕事内容や、きついとされる理由、やりがい、どのような人が向いているのかについて解説します。

福祉用具専門相談員とは?

福祉用具専門相談員とは、高齢者や障がい者の身体状態や環境などを考慮し、生活を支える福祉用具を選定したり、利用計画を立てたりする専門職です。福祉用具とは、車椅子、ベッド、歩行器、手すり、スロープ、入浴用の補助具などの、身体機能をサポートするための道具を指します。福祉用具専門相談員は、利用者とコミュニケーションを取り、希望や生活環境を考慮して最適な福祉用具の提案を行います。提案後は、福祉用具の導入から使用方法の説明、メンテナンスまで担当します。

介護保険制度では、福祉用具貸与が保険給付の対象となっているため、指定居宅サービスとして福祉用具貸与事業を行う場合、各事業所に2名以上の福祉用具専門相談員を配置することが定められています。

福祉用具専門相談員は介護福祉に関わる業種ですが、必ずしも介護福祉施設で働くわけではありません。福祉用具専門相談員が働く場所は、福祉用具販売・レンタル店、訪問介護事業所をはじめ、福祉用具を扱うドラッグストアや生活用品販売店でも雇用されています。高齢者の増加によって介護用品を扱う場所が増えているため、活躍の場は今後ますます広がり、増加すると予想されます。

福祉用具専門相談員の仕事内容

福祉用具の選定と提案

福祉用具専門相談員の主な仕事は、利用者の身体状況や生活環境に合わせた福祉用具の選定です。利用者一人ひとりの要介護や障がいの程度、住環境を考慮して、適切な福祉用具の選び方をアドバイスします。利用者の家を訪問して業務を行うことも多く、実際に家を見て、手すりやスロープの設置が可能か、どんな製品が適しているかなどを目で見て確認します。

「福祉用具サービス計画」の作成

福祉用具の提案だけでなく、利用者の相談内容やケアプランを元にした福祉用具の利用計画(福祉用具サービス計画)作成も仕事のひとつです。利用者の生活の質を高めることを目的としており、利用者の要望や目標と、それを踏まえた福祉用具の選定理由と使い方を記載します。

導入と取扱説明

提案が終わり導入が決まったら、福祉用具の納品・設置を行うのも福祉用具専門相談員の仕事です。ベッドなどの大きな用具は組み立ても行います。設置が完了したら実際に利用者に試用してもらい、使い心地の確認や利用者の身体に合わせた調整を行います。 そして、重要な業務が使用方法の説明です。正しい説明を行うことで、安全かつ有効に使っていただき、ケガや事故を防ぎます。

定期的な訪問確認

福祉用具が導入された後も定期的に利用者宅を訪問し、福祉用具の点検を行います。利用者が正しく使用しているか、使用状況を確認します。

参考)job tag(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))
参考)ふくせん|一般社団法人 福祉用具専門相談員協会

福祉用具専門相談員が「きつい」と言われる理由

体力的な負担が大きい

福祉用具専門相談員の業務内容には肉体労働もあるため、体力的にきついと感じることもあるでしょう。例えば、車椅子やベッドなどの大型福祉用具の搬入や組み立て作業、利用者宅への外出など、体を動かす仕事が多くあります。そのため、体力に自信のない人はきついと感じるかもしれません。

人間関係による精神的な負担

福祉用具専門相談員は、利用者やその家族、他の介護関係職員らとのコミュニケーションが重要な仕事です。利用者の身体的・精神的な苦痛に寄り添い、最適なサポートを提供するためには、利用者との話し合いが必要です。そのためコミュニケーションが苦手な人にとってはストレスを感じることもあるでしょう。

多岐にわたる専門知識が要求される

高齢化社会で介護を受ける人が増える中、生活を支える福祉用具も日々進化しており、新しい製品が開発・販売されています。福祉用具の専門家として、各製品の特徴を理解し、利用者への提案時には一人ひとりに合った製品を選定しなければなりません。提案の際には利用者やその家族が納得し、安全に使用できるような説明も重要です。説明が足りなかった場合、ケガや事故につながる危険もあります。

福祉用具の知識は一度覚えたら終わりではなく、日々アップデートしていく必要があります。そのため、福祉用具専門相談員を続けていくには、新しい知識を吸収することが苦手な人は大変かもしれません。しかし、新しい福祉用具や新技術に興味を持ち、学習意欲がある人には向いているでしょう。

業務範囲の広さ

福祉用具専門相談員は、一人で多くの利用者を担当することが一般的で、一人ひとりに対する業務量が多くなる傾向があります。また、訪問業務だけではなく、書類作成や連絡など多岐にわたる業務を効率的にこなす必要があります。

また、福祉用具専門相談員の主な業務は福祉用具の営業です。職場によっては営業ノルマが課される場合があります。新規の契約数などのノルマ達成具合で評価されることもあるため、営業成績がプレッシャーとなる人は苦と感じるかもしれません。逆に、営業ノルマなどの数値的な目標がモチベーションにつながる人は、向いていると言えます。

福祉用具専門相談員に向いている人の特徴

人とのコミュニケーションが好き・得意な人

福祉用具専門相談員の業務には、利用者やその家族との細やかなコミュニケーションが必要です。会話から得られた情報を元に利用者に福祉用具を提案するため、相手との信頼関係を構築するためにもコミュニケーション能力は必須です。

また、相手の気持ちに寄り添い、適切なサポートを提供できる共感力が求められます。利用者の生活をより良くするために、相手の立場で「利用者が何に困っているのか」「福祉用具によってどんなことが改善されれば、利用者の生活がより豊かになるか」を考え、最適な提案をできることが大切です。

人と接することが好きで、利用者の要望を的確に汲み取ることができる人に向いています。

問題解決能力が高い人

「福祉用具の提案」と言っても、利用者ごとに困っていることや生活環境は多種多様です。それぞれの課題やニーズに対してどんなサポートが必要かを判断し、提案する能力が求められます。利用者の要望だけでなく、ケアプランや住環境などさまざまな条件を把握した上で、適切な福祉用具を提案できることが重要です。

体力に自信がある人

前述の通り、福祉用具専門相談員は身体を使う仕事が多いため、体力に自信がある人が向いています。特に、車椅子の運搬やベッドの設置など、力を使う場面が多くあります。また、日常的に外出して利用者宅を訪問する機会も多いため、体力を維持できることが重要です。

福祉用具専門相談員のやりがいと魅力

「大変そう」「つらい」といったネガティブな印象も持たれる福祉用具専門相談員ですが、大変な分、やりがいももちろんあります。

利用者に喜んでもらえる

福祉用具専門相談員は、利用者と直接会ってやりとりをする機会が多いです。提案後も定期的な訪問を行うため、自分が薦めた福祉用具によって「生活がしやすくなった」「不安が解消された」などの喜びの声や感謝の声を直接聞けることは、やりがいを感じられるでしょう。

達成感がある

福祉用具専門相談員のメインの業務は、福祉用具の営業提案です。自分の考えた提案が受け入れられたときは、大きな達成感を得られます。一人ひとりの利用者と信頼関係を築くことで達成感を得られるのはもちろん、営業成果として契約件数が数字として見えることも成長を実感できるでしょう。

福祉用具専門相談員になるための必要な資格

福祉用具専門相談員になるためには、「福祉用具専門相談員指定講習」を受講し、50時間のカリキュラムを修了する必要があります。この講習では、福祉用具の種類や選定方法、介護保険制度に関する知識などを学びます。ただし保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、義肢装具士の資格取得者等については、この講習を受けなくても福祉用具専門相談員の要件として認められています。

「福祉用具専門相談員指定講習」に受講資格はないため、誰でも挑戦することができます。講習の最後に修了評価(筆記)が実施されますが、講習で学んだことを理解できているか確認する意味で行われるものです。しっかり講習を受けていれば、ほぼ全ての方が合格できるため、資格取得のハードルは低いです。

介護資格取得専門スクール「未来ケアカレッジ」では、福祉用具専門相談員指定講習会も開講しています。ぜひご活用ください。

資格が必要な職業ですが、職場によっては未経験可の募集を出しており、入社後に資格を取得できる求人もあります。福祉用具専門相談員は、介護や福祉業界は未経験という方でも、意欲があれば挑戦できる職業です。

福祉用具専門相談員のスキルアップ

前述した通り、福祉用具専門相談員は知識のアップデートが求められる職業です。福祉用具そのものの知識以外にも、関連する他の資格があります。

  • 福祉用具プランナー
  • 福祉用具選定士
  • 福祉住環境コーディネーター検定試験

これらの研修・検定を受けることで、資格を取得することができます。福祉用具専門相談員として働き始めた後も、相談員としてレベルアップしたい、スキルを証明できる資格が欲しい際には、ぜひ挑戦してみてください。

まとめ

福祉用具専門相談員は、高齢者や障がい者が安心して暮らすことができるよう、福祉用具を通じてサポートする専門職です。その仕事内容は多岐にわたり、体力的・精神的な負担がある一方で、大きなやりがいと達成感を得られる仕事でもあります。人と接するのが好き、誰かの生活を支えたい、喜んでもらえる仕事がしたいと考える人に向いている職業です。
福祉用具専門相談員については、こちらのページでも紹介しているので、合わせて参考にしてください。
介護業界に興味がある、営業職をやってみたい、人に喜ばれる仕事がしたい方は、福祉用具専門相談員に挑戦してみるのはいかがでしょうか?

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