お役立ちコラム
生活支援員とは?仕事内容と活躍できる職場、1日のスケジュール例を紹介
障がいを持つ人が安心して日常生活を送れるようにサポートをする生活支援員。利用者本人やその家族から直接感謝の言葉をかけられる機会もあり、やりがいを感じやすい仕事です。
2022年には障害者雇用促進法が改正され、民間企業をはじめ、すべての事業主に対して障がい者の多様な働き方への配慮が求められるようになりました。これにより、障がい者の就労支援を行う生活支援員の役割は高まっているといえます。
この記事では、生活支援員の仕事内容や活躍できる職場、1日のスケジュール例などを紹介します。
生活支援員とは?
生活支援員とは、身体や精神に障がいを持つ人々の生活を支援し、自立をサポートする仕事です。入所型または通所型の施設で、日常生活の支援や身体機能・生活能力の向上を支援するほか、職業訓練の指導やサポートを行います。
生活支援員の基本的な仕事内容
生活支援員の仕事内容は、障がい者の身の回りの支援をはじめ、創作や生産活動まで、生活に密着した支援を行っています。
具体的には、以下のような活動をサポートします。
- 衣服の着脱、食事など生活習慣が身につくように指導、支援
- 農耕や園芸、工芸や木工作業など就労のための指導
- 施設における人間関係や将来についての相談の助言
ただし、活動の全てをサポートするのではなく、利用者本人の持っている力を伸ばせるように見守り、自立に向けた支援を行います。
また、障がい者支援の現場を支える職種として、行政や利用者のかかりつけ医などの医療機関、障がい者を雇用する企業に支援、助言をし、関係各所への連絡調整を行います。
障がい者の生活の質の向上と、家族の介護負担軽減にも貢献する、非常に重要な役割を担っているといえるでしょう。
生活支援員になるには
生活支援員になるには、いくつかの方法があります。
- 介護職員など実務経験を積んだ後、介護福祉士や社会福祉士、精神保健福祉士など国家試験に合格する
- 社会福祉系の学部がある大学・短大、福祉系の専門学校を卒業して、福祉施設に入職する
- 市町村が運営する公営施設の場合は、地方公務員の試験に合格する
生活支援員は、福祉関連の専門的な知識や技術が求められる職業です。働くにあたって特に資格は必要とされていませんが、働く上で持っていると役立つ資格としては、「社会福祉士」「精神保健福祉士」「介護福祉士」などがあげられます。
これらの資格は国家資格のため、受験するには一定の要件を満たす必要があります。資格を保有していることで介護や福祉に関する知識やスキルの証明となり、資格があると採用されるのに有利だといえるでしょう。
その他あると有利な資格としては、「介護職員初任者研修」「介護職員実務者研修」があげられます。こちらは民間資格で、介護や福祉の基本的な知識を学び、資格取得から就労後、実務経験を積んでステップアップするために役立つ資格です。
生活支援員が活躍できる職場
生活支援員の活躍の場は障害者グループホーム、障害者支援施設、就労移行支援事業所、就労継続支援事業所などさまざまで、職場によって仕事内容は異なります。ここからはそれぞれどのような職場であるかを見ていきましょう。
障がい者グループホーム
障がい者グループホームは、障がいをもつ人が共同生活を送る施設です。施設には4種類あり、介護サービス包括型、サテライト型、外部サービス利用型、日中活動サービス支援型があります。このうち、生活支援員は、「介護サービス包括型」と「サテライト型」で活躍しています。
<介護サービス包括型>
食事、入浴、排泄などの介護業務を中心に日常生活をサポートします。
<サテライト型>
ひとり暮らしに近い状況で生活をしている利用者に必要に応じて食事、入浴などの支援を行います。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所では、一般企業に就職を希望する利用者の職場探しや職業訓練、職場定着のサポートを行います。生活支援員は、相談業務を中心に、健康管理支援、サービス管理責任者の補助を行います。
就労継続支援(A・B型)事業所
就労継続支援事業所には、A型とB型があります。
<就労継続支援A型事業所>
障がいや難病により一般企業での就業が困難な人を支援しており、事業所と雇用契約を結んで利用者の最低賃金を保障しています。
<就労継続支援B型事業所>
A型での就労が難しい方が対象で、生産活動の機会を提供、支援を行いますが、雇用契約は結ばず非雇用で利用者は働きます。A型事業所や一般就労への移行支援も行います。
どちらの事業所においても生活支援員は、利用者からの相談を受けつけ、作業の指導、健康管理指導がおもな業務です。
障害者支援施設
身体介助や生活支援、創作・生産活動の場の提供、就労・自立支援に関する訓練など、多角的な支援を行う障がい者の入所施設です。
日常生活の介護や相談業務、関係各所との連絡調整や連携の事務作業が生活支援員のおもな仕事です。
社会福祉協議会
知的障がい者や精神障がい者など、日常生活を営むのに必要な判断や意思表示を行うのが困難な利用者に対して、福祉サービスの利用援助を行っています。
生活支援員は利用者の食事・入浴・排泄などの身体介助や調理・洗濯・掃除などの家事援助など自宅生活をおくる上でのサポートを行います。
生活支援員の1日のスケジュール例
朝9時から夕方18時まで勤務する日勤帯が一般的です。入所型施設の場合は、シフト勤務で交代制が多く、介護職員のいない施設では、介護の仕事が中心となるため、月に数回夜勤もあります。
通常業務を行いながら、施設入所希望者の家庭訪問、関係各所との連絡調整やマネジメント業務があり、利用者や他事業所の状況を見ながら柔軟な対応が必要です。
【就労支援事業所での1日のスケジュール例】
09:00 |
出勤、ミーティング |
1日の予定の確認、情報共有 |
09:30 |
利用者の送迎 |
事業所から自宅まで利用者を迎えに行く |
10:00 |
作業開始 |
企業から依頼された軽作業に利用者と一緒に取り組む |
12:00 |
休憩 |
利用者と一緒に昼食 |
13:00 |
作業再開 |
午前中の作業の続きに取り組む、相談にのる |
15:00 |
利用者の送迎 |
事業所から自宅まで利用者を送り届ける |
16:30 |
振り返り、ミーティング |
1日の活動内容の記録、必要書類の作成など |
18:00 |
退勤 |
生活支援員は、利用者の支援や事務処理、送迎など、幅広い業務を担当します。利用者の障がいに応じて抱える悩みに寄り添い、誠実に仕事をすることが大切です。
まとめ
生活支援員は、障がい者の介護や相談を行うだけではなく、就労のサポートなどで関係各所とのコミュニケーションや調整力が必要です。利用者の不安や悩みに寄り添いながら、適切な対応をとれる人が求められています。
生活支援員は、介護福祉関連の専門的な知識や技術が求められる職業です。資格取得を目指すなら介護資格取得専門スクール「未来ケアカレッジ」をご活用ください。また、介護福祉関係のお仕事を探すなら、求人サイト「未来ケアワーカー」をまずは一度ご覧ください。
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