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2024.05.29

訪問介護員(ホームヘルパー)とは?必要な資格や1日の仕事例を紹介

訪問介護員(ホームヘルパー)とは?必要な資格や1日の仕事例を紹介

介護が必要になった方が、住み慣れた地域でできる限り自立した日常生活を送れるように、食事や入浴、掃除など身の回りの生活を支援するのが、訪問介護員(ホームヘルパー)です。

この記事では、ホームヘルパーの仕事内容と必要な資格、さらにホームヘルパーの1日のスケジュールの例についても紹介します。

ホームヘルパーの基本的な仕事内容

訪問介護は、介護利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送れるように支援するサービスです。ここでは、訪問介護サービスの担い手である訪問介護員(ホームヘルパー)とはどんな職種なのかとその魅力、ホームヘルパーの仕事内容、訪問介護ではできない仕事について見ていきましょう。

訪問介護員(ホームヘルパー)とは?

ホームヘルパーは、介護保険上では「訪問介護員」と呼びます。

ケアマネジャーが作成したケアプランに基づいて、利用者の自宅へ原則1人で訪問し、決められた時間に利用者に必要な介護サービスを提供しています。

在宅介護は、家族だけが行うのではなく、介護利用者をみんなで支える視点が必要です。ホームヘルパーは、生活支援に入る一番身近な職種であり、利用者本人や家族の生活上に必要な介護のアドバイスや精神的ケアを行うことも期待されています。

在宅介護を支えるプロフェッショナルとして、ケアマネジャーや医師、看護師、リハビリ専門職をはじめ、さまざまな他職種との連携が必須です。

訪問介護員(ホームヘルパー)の魅力

ホームヘルパーは、利用者の住み慣れた自宅に訪問し、寄り添いながら介護をします。利用者や家族と信頼関係を築きながら働き、生活を支える役割を担うホームヘルパーは、とてもやりがいのある仕事であるといえるでしょう。

ほとんどの事業所では仕事に慣れるまでは、サービス管理責任者や先輩のホームヘルパーが同行します。不安があっても相談しながら現場に少しずつ慣れていけるので安心です。

またホームヘルパーは、事業所によっては直行直帰が可能です。職場の人間関係を気にせずに一人で自由に働きたい人や家事や趣味などプライベートも充実させたい人にとっては、すきま時間に働けるのも魅力と感じるでしょう。

日勤のみ(夜勤なし)で正社員として働くことも可能なので、ライフワークバランスを実現しながら収入アップも可能です。

訪問介護員の仕事内容

ホームヘルパーは、介護が必要な方ができる限り在宅で自立した生活を続けられるようにサポートしています。訪問介護で行われる介護サービスは、主に以下のように分かれています。

・身体介護サービス

食事、排せつ、入浴、衣服の着脱など、主に身体に直接触れて行う介助サービスです。

さらに通院などを目的とした乗車、移送、降車の介助サービスを提供する場合もあります。

・生活援助サービス

掃除、洗濯、買い物、調理などの家事の援助や薬の受け取りなどが含まれます。よりよい生活環境を整えるために行うサービスです。

訪問介護でできないサービス

次のような行為は、介護保険サービスの訪問介護の対象範囲外の仕事とされています。

・介護利用者以外の家族のための行為

家族の洗濯、調理、買い物、利用者以外の家族が使用する居室の掃除、来客の応接など

・訪問介護員が行わなくても日常生活を営むのに支障が生じないと判断される行為

草むしり、花木の水やり、ベランダの掃除、ペットの世話など

・日常的に行われる家事の範囲を超える行為

家具・電気器具などの移動、修繕、模様替え、大掃除、床のワックスがけなど

ホームヘルパーは、家事代行ではありません。基本的に同居家族がいる場合の生活援助については、介護保険制度で認められていません。

生活援助については、介護利用者が自力や家族等で行うのが難しいかどうかなど個別に判断するのが一般的です。ケアマネジャーが作成しているケアプランに沿って訪問介護業務を進めていきましょう。

訪問介護員(ホームヘルパー)になるには介護資格が必要

ホームヘルパーとして働くには、介護に関わる資格が必要です。介護の資格にはいくつか種類がありますが、ここでは、代表的な資格をご紹介します。

「介護職員初任者研修」の修了をまずは目指しましょう

ホームヘルパーは、基本的に1人で利用者の自宅に訪問するため、現場で対処できる実務能力が求められます。まずは、介護職員初任者研修を修了して、基本的な介護の知識や技術を身に付けておきましょう。

2013年4月に介護資格制度の見直しで、ホームヘルパー2級資格は「介護職員初任者研修過程」に変更され、介護職員初任者研修がはじまりました。

介護職員初任者研修は、介護の基礎知識、倫理、実務を130時間学び、試験に合格すると取得できる介護の民間資格です。

介護福祉士実務者研修・介護福祉士へのステップアップ

訪問介護事業所では、在宅介護サービスの利用申し込みの調整や訪問介護計画の立案などを行うサービス提供責任者が在籍しています。

サービス提供責任者になるためには、介護福祉士実務者研修の修了や介護福祉士の資格が必要です。介護職員初任者研修修了後は、上位の資格取得を視野に入れ、現場での経験実績を積み上げていきましょう。

介護福祉士実務者研修と介護福祉士の資格には次のような特徴があります。

・介護福祉士実務者研修

実務者研修は、介護職員初任者研修よりも、さらに幅広い介護の知識や技能を身に付けられる民間資格です。受講時間数は450時間ですが、過去の研修過程の受講があれば、一部免除されることもあります。

医療的ケアに関する知識や技能の習得を柱にしており、2012年度から実務者研修を修了した上で、実地研修を修了すれば「喀痰吸引(たんの吸引)」が条件付きで介護職員でも担当できるようになりました。

・介護福祉士

介護福祉士になるには、3年以上かつ従事日数540日以上の実務経験を積んで、介護福祉士実務者研修を修了した人。または、3年以上かつ従事日数540日以上の実務経験を積み、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修を受講した人が、国家試験に合格すると介護福祉士の資格を取得できるという条件があります。

実務経験のルート以外にも、福祉系の学校や養成施設を卒業するなど複数のルートで介護福祉士資格は取得できます。介護資格取得をバックアップしている介護事業者もありますので、求人情報を探す際にはチェックしてみてください。

訪問介護員の1日の仕事例

ホームヘルパーの主な勤務先は、社会福祉協議会や老人ホームなどを経営する社会福祉法人、営利法人、医療法人、NPOなど多種多様です。ここでは、一般的なホームヘルパーの勤務形態や1日のスケジュールの例をとりあげます。

勤務形態

公益財団法人介護労働安定センターの「令和4年度介護労働実態調査」によると、ホームヘルパーの平均年齢は54.7歳で、84.9%が女性です。60代以上の方も活躍しています。ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができるため、女性が長く働ける職種だといえるでしょう。

ホームヘルパーとしての働き方は、「直接雇用」「登録ヘルパー」「派遣ヘルパー」に大きく分けられます。

・直接雇用

勤務先の訪問介護事業所に常勤の正社員やパートなどで直接勤務するスタイルです。

・登録ヘルパー

訪問介護事業所にホームヘルパーの登録をして、利用者ごとに受け持ち訪問する場合が多いです。

・派遣ヘルパー

派遣会社にヘルパー登録をして、仕事の紹介を受けて派遣されます。

短時間単位で働く登録ヘルパーや夜勤専従やシフト勤務など形態はさまざまです。非常勤で働く人も多く、柔軟に労働スタイルが選べるのがホームヘルパーの特徴です。

1日のスケジュールの例

訪問介護の営業自体は、平日の日中が中心です。しかし、夜間や緊急時の対応を考え、「夜間対応型訪問介護」など利用者の生活に合わせた介護サービスも増えています。

営業日や営業時間によってシフトが異なりますが、ここでは、日勤帯で働く常勤ホームヘルパーを例に1日のスケジュールを見てみましょう。

8:30

出勤

訪問介護事業所で1日の訪問先の予定の確認、準備を行います。

9:00

A様宅訪問

朝食の介助と着替え介助、デイサービスへの送り出しをします。

10:00

B様宅訪問

洗濯と部屋の掃除、昼食の調理をします。

11:30

C様宅訪問

昼食の介助、排泄介助をし、着替えと清拭をします。

12:30

休憩

 

13:45

D様宅訪問

通院に付き添い、薬の受け取り、車いすの移乗、移動を介助します。

15:00

E様宅訪問

着替えと入浴の介助をします。

16:00

F様宅訪問

買い物を代行し、夕食の調理をします。

17:00

事務作業

介護記録をまとめ、担当ヘルパーへの引継ぎなどを行います。

17:30

退勤

 

まとめ

訪問介護員(ホームヘルパー)は、介護保険や障害者総合支援法に基づいて高齢者や障がいのある方への介護サービスを提供しています。介護利用者の生活に寄り添う姿勢は大切ですが、介護サービスで認められていない業務は提供できないことを理解しておきましょう。

また、訪問介護を行うには、介護職員初任者研修の修了が必要です。介護のプロとして必要な基礎知識や実践的なケア方法を学び、キャリアを積み重ねていきましょう。

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